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Vol.0Magazine ─ 私の4:81談

私の4:81談、tig。

いくつか並走している。だから、毎日失敗している。

2026.06.06 Editor: tig Self interview Read ~12 min

並走しているプロジェクトが、いくつかある。
TYP0stet、南城市のキャンプ場、止まったままの app、それから父業。
名前を出せないものも、いくつかある。
並走しているのだから、毎日どれかは失敗する。当たり前のことを、書き残しておきたかった。 失敗を晒している方が、よっぽど安全だと思っている。
これは、TYP0stet を作った人間が、自分で自分に取材した column。第 0 号として、書く。

01TYP0stet ─ 3 度目の pivot で着地した brand

3 度目の pivot で、ようやく物販 brand に着地した。

最初は SaaS app だった。失敗を呟いて、AI が時効にして、クローゼットに溜まる、そういう設計だった。次に social brand に振った。共犯者システムを作って、誰かの失敗に「いいね」を押せるようにしたかった。そして、3 度目に、物販 brand に着地した。AI 時代に何を始めるべきか、何度も自問した結果だった。

名前を TYP0S から TYP0stet に変えたのは、stet という校正記号が「直さなくていい」を意味するからだった。typo を直さない brand。失敗を直さない brand。

直すたびに pivot して、3 回方向を変えた人間が、「直さなくていい」と書いた T シャツを作っている。可笑しいけど、これがいちばん正直な構造だと思う。brand のサブコピーには、「失敗できる事を、誇りに思ってる。」と書いた。誰の声でもなく、私の声で。

02南城市のキャンプ場 ─ 2,742 ㎡ の 不確定

南城市に、2,742 ㎡ の土地がある。¥830 万。キャンプ場にしたい、と相談したのが今年の春だった。

土地家屋調査士に、開発許可、接道、トレーラーハウスの建築物該当性、3 つを依頼している。回答を待っている。青地判定が出るかもしれない。出たら買えない。風致 4 種で高さ 10m 以下しか建てられないかもしれない。建てられる建てられないで設計が変わる。上水道を引き込めるかも、まだ分からない。

1 つの土地に、不確定が 4 つある。買えなかったら、私の見立てが甘かった、ということになる。そういう時、人は計画を諦めるか、隠すかする。私は隠したくないと思って、状態をそのまま書いた。

03typos-app v2 ─ 動いていない プロジェクト

失敗呟きから、AI 時効、ハンガー画像、クローゼット、購入で公開コレクション化、までを設計した。docs/ に specs を 8 ファイル、plans に統合実装計画書を置いた。

そこから、実装が止まっている。並走しているもののうち、唯一「動いていない」プロジェクトがある。それが typos-app だ。これは、いちばん怖い。

動かないものを「動かす」のは、ハードルが高い。動いているものを「もっと動かす」より、エネルギーが要る。

書いていて気づいたが、TYP0stet の購入前提 SNS 構想 (買った人だけが失敗談を投稿できる、いいねで繋がれる) が、この app を再起動する path になりそうだ。並走の 1 つを、別の並走の中に編み込み直す、という回路がある。書きながら、思いついた。

04父業 ─ いちばん大事な 並走

並走の中で、いちばん大事なのは、これだと思う。

これは、失敗できない、と思っている、けれど、たぶん、失敗している。失敗していると気づくのは、子どもが大人になってからだと思う。それまで、私は気づかないまま、毎日失敗を積み重ねている。

父業について、これ以上は書かないことにする。書ける言葉を、まだ持っていない、というのが正直なところで、書けないこと自体を、column の一部として、ここに残す。

並走を、書ける範囲で書いた。書いてみて分かったことが、いくつかある。

並走している人が、傍から見ると「凄い」ように見えるかもしれないが、当事者から見ると「凄い」も「凄くない」もない。ただ、並走している、それだけのことだ。並走していると、毎日どれかは失敗する。それも、ただ、起きている、それだけのことだ。

「失敗を晒すことを恐れない」というのは、勇気の話ではないと思う。晒さない方が、よっぽど怖い。隠して持っていると、自分一人で抱えることになる。晒すと、誰かが「私もそうだった」と言ってくれる。

これが、TYP0stet を作った理由のいちばん深いところにある。

AI が誰にでも brand を作らせる時代になった。LP を 1 日で作れる、画像を 5 分で生成できる、Stripe で決済できる。brand は量産期に入っている。物販で差別化するのは、もうほとんど不可能になっている。

そこで残るのは、物語と、人と、場、の 3 つだけだと思っている。物語は、AI でも書ける。でも、本物の物語は、人にしか書けない。人は、AI には複製できない。場は、物理空間でしか作れない。

TYP0stet は、失敗を晒している人の brand。シャツを着てくれる人は、たぶん、何かを並走している人。何かを並走していると、何かに失敗している。それだけ。

4:81 ( 16:21 ) に、月に 1 度、沖縄のどこかで集まる予定にしている。失敗を 1 つ持ち寄ること。TYP0stet を着てくること。私もいる。たまに、いない。

雲のように、誰の頭の上にも、同じように来たいと思っている。

失敗で繋がるという習慣は、いつか個人の brand mark を超えて、何かもっと公的な道具になるかもしれない。今はまだ、その試作機の段階だ。

─ tig

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